【勉強会】UXなまトーク_150225

本日UXデザイン関連の勉強会に参加してきました。これまでこういう議事録は社内のQiita:Teamにあげるだけだったんですが、せっかくなので今後はブログにも残しておこうと思います。

ハイライト:UXナンパ

概要

UXデザイナーの生存確認と最新事情(サイバーエージェント 大塚敏章)

  • サイバーエージェントで過ごした10年間、サービス開発は「暗闇の中での跳躍」そのものだった
    • ユーザーにとってのゴールとはなにか?
    • 事業者にとってのゴールとはなにか?
    • 悩み続けた
  • Agile UCDなどを試みたが、うまくいかなかった
    • 開発メンバーに負担
    • 機能がまとまらない
    • 役割の曖昧さ
    • マネジメントの失敗 etc.
  • 周りを見渡して、「諦めていたのは自分だけで、見渡したら色々変わっていた」ということに気づいた
    • 社内で、HCDの手法を試す部活が始まっていたり(プロセスにフォーカスした練習)、ユーザーテストが行われていたり(成果にフォーカスした実践)
    • これらは横断的なプロジェクトではなく、プロジェクトチーム内でやれることをやっているような感じだった
  • 最近始めたこと
    • Design Sprint:チームでデザインし、5日間でアイデアを検証する
      • http://www.slideshare.net/takaumada/design-sprint-process?next_slideshow=1
      • イデアをすぐに検証:早い段階で試して学習する仮説検証プロセス
      • 民主的に決定:サイレントクリティーク(プロダクトオーナーも含めて投票して決定)
      • 5日目にユーザーテスト
      • エンジニア、デザイナー、プロデューサーみんなでUIを考える
      • ブレストで時間を使わない
      • 討論でアイデアを狭めない
      • 全員のアイデアを引き出す
      • 何回か繰り返し行うもの
      • ユーザーテストとセットでやることで、進むのが早くなる
    • Prototyping Process
      • 以前はペーパープロトタイプをやっていたが、正直大変だった
      • 最近はさまざまなプロトツールがでてきたのでとてもやりやすい
    • UXを計測する
    • これらのことは臨機応変にやること、継続的にやることが重要
  • 仮説検証ができる環境で、体験を「志向」できるようにすることが大切だと感じている

UX導入はじめの一歩(DMM.comラボ 井上誠)

  • DMM.com事業背景
    • UX導入は会社の背景事に異なる
    • こうした「体系化できない」ことが「どう導入したらいいかわからない」につながっているのが問題
    • ではDMM.com事業背景は?
      • 事業が多岐にわたっている
      • UXよりビジネス要件重視
      • UXよりスピード重視
      • ユーザーが大事だというのはわかりつつ、荒波のなかで何とかやっている状況…
  • ビジネス要件の重要性

    • ビジネス要件とユーザー要件はトレードオフになるものではないはず
      • ビジネス要件はすべてUXに必要な情報である
    • 限られたなかでできることからコツコツと!
    • ビジネス側の信頼を得られるように進めるのが重要!
  • DMM.comのUX事情

    • UXやってる人:2人
    • これからチーム化する予定!そのための土台作り中
    • トップを説得して会社方針として導入する?(トップダウン
      • → 会社方針が変わるとなくなってしまう可能性がある&やらされ仕事になる懸念がある
      • → なのでボトムアップで進めている
        • 作業者レベルで「ユーザーを見る」空気作り
        • UXで会社に「貢献」
    • 導入の進め方
      • 1year 種まき:社内勉強会実施
      • 2year 芽吹かせ:導入事例の増加 ←今ココ
      • 3year 育成:成功事例の増加
      • 4year 成熟:フローとして定着
    • はじめの一歩 私たちがとったプロセス
      • 小さな成果と小さな信頼を積み重ねる
  • スムーズな導入のために
    1. 現行の制作フローから自然につながるようにする:UXナンパ
      • ステークホルダーが「使いづらい。。」って言ってるタイミング(問題が起こったタイミング)でテストを提案
      • 反発が生まれると挽回が難しい。機が熟するのを待つのも重要
      • UX導入しやすいところは、要件定義と改修期間(この間は開発期間)
        • 要件定義期間ではビジョン定義
        • 開発期間ではプロトタイピング
        • 改修期間では改善アプローチ
    2. いきなり成果を求めない
      • UXの効能
        • ユーザーに受け入れられるサービスができる ←こっちはリリース後じゃないとわかりづらい
        • 開発者の納得の行く根拠ができる ←導入前はこっちが重要だとおもう
    3. 手法に振り回されない
      • 手法は方程式じゃない
      • 調査×分析×議論=解決案
      • 議論が大事
      • UXD手法は、あくまで議論をしやすくするツールにすぎない
      • 議論のために必要なこと
        • 手法の勉強
        • 人間に対する洞察力
        • 問いかける姿勢
  • まとめ
    • 導入できる信頼を得る
    • ビジネスに共感する
    • 小さな成果からはじめる
    • 学習することをやめない

なぜUXをデザインしているのか(グッドパッチ藤井幹大)

  • このスライドの中での「UX」とは?
    • 必要な体験の仮設を立てて実現方法を設計すること
      • ユーザー個々人による習慣の体験
      • 「誰にとっても良いUX」は存在しない
  • UXデザインの捉え方
    • 目的なき手法は悪!
    • 成果指標:手法がユーザーのことを考えているように見えるかどうかではなく、成果が出ているかどうかで捉えましょう
    • UXデザインの捉え方
  • ぼくがなぜUXデザインをするようになったか
    • サイバーエージェント時代
      • UXを意識せず収益を意識するデザインをやっていた
    • VOYAGE GROUP時代
      • 組織が分裂
        • 「モノ」と「体験」、「行動」と「存続」の二派に分かれてしまった
        • この体験によって、モノづくりのサイクルと体験の重要性に気づいた
  • グッドパッチでのUXデザイン
    • ビジョンの実現のためのUXデザイン
    • 人々のハートを揺さぶるような(=体験)デザインとプロダクトを生み出し(=モノ)、世界をより良い方向に(=体験)前進させる(=行動)
    • ↑これがグッドバッチの事業(=存続)
    • GoodpatdのUIデザイン
      • UIを最終的な成果物としてサイクル全体をデザイン
      • Prottの場合
        • かんたんに実現できる(=体験)ツールを提供して(=モノ)、プロトタイピング文化を促進し(=行動)、世界をより良い方向に前進させる(体験)デザイン&プロダクトを増やす(=モノ)

UXデザインの居場所(グリー 村越悟)

  • 今日の話は、精神論です
  • UXデザインとは何ですか?
    • 「人間の行為(その多くは目的をもつ)をより良いかたちで適えるための「計画」も意味する」(Wikipedia
    • Googleなどいろんな会社などの業務内容
    • …とにかく範囲が広い
    • 「求められている責任」と「求めている理想」のギャップに常に苦しむ
    • 手法を知れば実現できるものではない
    • 「人間のつくった環境が、逆にその中での彼の居場所を決めてしまう」(マクルーハン
  • UXには居場所が必要
    • 自分の場合は、自分自身の活動自体をデザインすることをやっている
    • 自分HCDサイクルをまわす
    • http://engineer.typemag.jp/article/gree-ux
      • 限られたリソース、限られた責任からスタート
      • ユーザテストの工数圧縮を行い属人化を排除
      • ユーザテストの活動を組織に浸透させる
      • 今年は「プロトタイピング」の浸透に着手
      • https://medium.com/@future79/ux-681e74144135
      • 「ユーザーテストの人」みたいに思われてしまった
      • 今年は人を巻き込んで行くことを意識している
      • プロトタイピングとかやってきたおかげで、最近は「付箋の人」になってきた
  • 現状を把握し、自分自身を定義する
    • 分析ポイント
      • その活動によって改善される組織課題はなにか
      • 賛同してくれる人はいるか
      • 手を取り合える相手はいるか
      • 自分自身の役割を定義できるか
      • 活動に計画性と拡張性があるか
    • エンドユーザーからステークホルダーまで、まわりにいるひとはみんなユーザー
    • 自身の目的:良い物が作り続けられる「仕組み」と良い物が作り続けられる「文化」に寄与すること
    • 理論ではなく、「実践」に根を下ろすことを意識している

パネルディスカッション 兼 懇親会

  • メモれず
  • ハッシュタグ#uxnamaにざっくりまとまってました
  • めっちゃおもしろかったです。まさに飲みの席で聞きたい話