ワイワイCAFEに参加してきました。恒例の勉強会メモです。
インタビューのプロがその場でインタビューを行い、その様子を別のインタビューのプロが解説してくれるというすごい企画。やあーすごかったです。
概要
- https://uxd-hcd-waiwai-cafe.doorkeeper.jp/events/24107
- 日時:2015年5月23日 14:00〜17:00
- 場所:IMJ(青葉台)
- 目的:「マーケティング/商品企画のためのユーザーインタビューの教科書」出版記念イベント。「インタビューの極意」をセミナー形式で学ぶ
インタビューライブ!part1のポイントまとめ
- 「最近、あなたが気になっていることは?」をテーマにインタビューを実演
- 映像で振り返りながら、ポイントを解説
- 以下、インタビューの内容は割愛して解説だけ!
話を聞く姿勢
- 相づちやメモの取り方、相手を見るタイミングが大切。たとえば、見られすぎると緊張するので見過ぎないとか
- インタビューに慣れないうちは、意識的に過度なくらいに相づちをやるといい
- インタビュアーは、インタビュイーの考え方を理解するために聞いている。共感のひとこと「ああそうか、なるほど」を自然と言うといい
話を引き出すテクニック
- 「気になっていることは?」と聞かれたら、聞かれた側は自然とポジティブな意味で答えようとしてしまう。ここでポジティブでもネガティブでもいいよ、と伝えてあげるといい
- 相手の価値観を引き出す質問をうまくする
- 話の軸がぶれているなと気付き、それを修正する。こういうふうに視点が変わってしまうことなどはよくあって、「私ならできるかもしれないけど母なら無理かも…」みたいな答えが出てくるとか。けど、インタビュイーは誠意を持って考えて答えてくれているので、それを否定するのはぜったいだめ。「あなたはどう思いますか?」と自然に視点をもどすのが重要
- インタビュイーの考えや気持ちをその方で語ってもらうためには、オープンクエスチョンが重要
- 逆に、インタビュイーの言葉を確認するためには、クローズドクエスチョンやオウム返しも重要
場をコントロールする
- はじめに見込み時間を相手に伝える。どれくらいの時間が必要になるのかを伝えて、相手に安心感を与える
- インタビュアーが次のことを考えている「間」が、インタビュイーにとってストレスにならないように配慮する
インタビューライブ!part2のポイントまとめ
- 同上!
話を聞く姿勢
- インタビュアーの自己紹介をはさむことで、インタビュイーに安心感を与える
- インタビュイーの言葉をオウム返しすることで、そのことについてもっと聞きたい、という姿勢を表すことができる
- 相手の話し方を観察しながら、話を聞く
話を引き出すテクニック
- 「気になっていること」というテーマをインタビュイーに気づかせない聞き方。直球で聞いちゃうと話の幅を狭めてしまう可能性があるので、あえて別の切り口(「今回は時間の使い方について聞かせてください」とか)から攻めてみる
- 本当に知りたいことを直球で質問するだけじゃなくて、相手に状況をイメージさせる質問をしたうえで、知りたいことを聞く
- 「会社の人」みたいな一般化した単語ではなく「先輩」とか「同僚」とか具体的な単語を使い、状況をイメージした答えを引き出しやすくする
- 相手の言葉をオウム返ししているようで、頭のなかではしっかり咀嚼して聞き返し、次の話に展開していく
- 話の視点(個人の話と会社の話、過去の話と未来の話、とか)を切り替えるときは、質問のペースを変えてみる
場をコントロールする
- インタビューの終わり際に、これまで聞いた内容を要約して聞き返し、こういう理解で大丈夫かを確認する
ユーザーインタビューを体験してみよう
- 3人一組で、5分間のインタビューを3セットやってみる。役割は以下
- インタビュアー:他の人に紹介できるくらいに相手のことを深く知るのが目標。5分間しっかり聞く!
- インタビュイー:本当にインタビューを受けているつもりで、質問に正直に答える。全ての質問に答えなくてもOK
- ジャッジマン :インタビュアーがインタビューの基本技を使えているかどうか、チェックシートでチェックしてフィードバックする
- 今回は入門編なので、深堀りとか難しいことにチャレンジするのではなく、基本技を意識してやってみる
- チームディスカッション
- 先ほどのインタビューとは別の人と4〜5人1組になって、感想の共有しつつ、著者への質問を書き出す
出てきた感想や質問
パネルトークセッション
- (モデレーター太田)この仕事をやっていてよかったというエピソードは?
- (三澤)以前、ペルソナ1人に対して、500人がアイデアを出すという経験ができた。すごくエキサイティングだった
- (奥泉)同じことを長く続けることができない性格だが、今の仕事は10年続いている。毎回会う人が変わって、話すことも変わる。毎回違うということが楽しいと思えるのが幸せだと思う
- (伊藤)インタビューが終わった後に、インタビュイーの方から「楽しかったです。また呼んでください」といってもらえると楽しい。あと、インタビュー結果を受け取ったクライアントから「やってよかった」といってもらえるとうれしい
- (山崎)人と話すこと自体が素直に楽しい。お客さんの要求(=現実)を捉えてモノを作るということが正しいと信じているので、楽しい。あと、いろんな有名人と会えるのが楽しい
- (モデレーター太田)インタビューの計画のしかたについて、気をつけるべきことは?
- (山崎)そういう、大切だけどうまく説明するには時間がかかることというのは、本に書いています(笑)
- (三澤)インタビューの計画が一人前にできるようになるには、とても時間がかかると思っています。小道具を使ったり、場所を変えてみたり、いろんな工夫ができる。それをしっかりと設計できるようになるために、なんのためにやるのかというのを理解する必要がある
- (奥泉)そもそもなんでインタビューをやる必要があるのか、というのをクライアントから聞き出すというところからがインタビュー。そこが計画の難しさなんだと思う
- (会場質問)自分の興味関心のないトピックの時に、どう質問を投げかければいいのか
- (伊藤)わからないなりに、バカのフリをするしか無いかなと思う。「それは○○ということですか??」と聞いて否定させるとか、自分の理解と相手の理解のギャップを無くす方法を探る感じ
- (会場質問)あまり喋らない人から、どうやって話を引き出せばいいのか
- (伊藤)たとえば、少し話してくれた内容に対して解釈を加えて、「こういうことですか?」という広げ方をするとか。反応を見て、少しでも反応が多いところを掘り出してみるとか
- (奥泉)若い男性は特に話をしてもらいにくかったりする。そういう時は、母親のような立ち位置で聞いてみる。「それだとお母さんわかんないからさー」とか。話慣れない人の場合は、とりあえず口を動かさせたりする
- (三澤)相手のテンションに合わせてみたりするのも大切かなとおもう
- (山崎)無理に答えを引き出すことよりも、相手に心を偽らせない(自己一致)ことのほうを重視している。あとは、言葉の定義が人によって違ったりするので、それってどういう意味かを聞いたりする