【勉強会】ビジネスを躍進させる創造的チームの作り方 - 任天堂Wii 元企画者 玉樹氏・ヌーラボ代表 橋本氏登壇 at KOIL
本日参加した勉強会のメモ!
所感
- 普段行く勉強会とはちょっと違う層の方々がたくさんいらっしゃって、たのしかった
- チームビルディングで重要なキーワードは「共感」
- 個人的に気になったキーワードは「率直さ」。ここって具体的にどう意識していいけばいいのか、茫漠としていてむずかしいなあと思いました
- 「ゲームはおもしろいから遊ぶのではなく『わかる』から遊ぶ」、というところは、今まさに気になっていたところなので、なるほど感がすごかった
おみやげに頂いたMDFパスケース(FULLERさん作)とKOILチケット
開催概要
- ビジネスを躍進させる創造的チームの作り方
- 概要:新しい働き方・創造的チームの作り方に関するゲストセッション、そして多様なスキルをもったメンバー同士が新しいビジネスプランを創造するという、参加者の皆さんの明日からのアクションにつながる一連のプログラム
- 日時:2015年3月25日 13:30〜19:00
オープニングトーク
- 今回の企画のもとになった本:『REWORK』(邦題:『小さなチーム、大きな仕事』)
- 仮説:同じビジョンに興奮できる、多様なスキル/キャラで構成されたスモールチームを作ることがビジネスを大きく躍進させる
- 内容:良いチームの作り方については諸説ありすぎるし、伝説じみてハラオチしない。日本で実践しているひとに聞いてみよう
小さなチームの大きな冒険 任天堂「Wii」の企画はなぜ少人数で成功したのか
- わかる事務所 代表/任天堂 Wii の 元企画開発者 玉樹真一郎氏
- あなたは大手電子機器メーカーに勤務している。「お年寄りに役立つ商品を企画しろ」と言われた。
- お年寄りは足が不自由だから云々、みたいなものを作る?
- だがここで開発チームの雰囲気が悪い…というのがわかる。なんでだろう?
- きれいごと感:本気になってるひとがいない様子
- 私たちはお年寄りのことを本当はどう思っているのか?を知るために「悪口を言ってください」と質問した
- 同じことを何度も言う、説教じみてる、よくわからないものを食べている、、etc.
- 出てきたワードの共通点:身体的特徴のことが一個も出てきてない
- ブレイクスルー:お年寄りは「クサイ」
- → お年寄りは自分の匂いを気にして近づいてこないのでは?
- →お年寄りをいい匂いにしてハグできるようにしよう
- 気づけば良いチームに!
- あなたは本当にチームメイト個人の感じたことを知りたいと思っているか?
- スーパーマリオブラザーズはすごいという話
- マリオはなんで売れたのか?を考えよう
- スーパーマリオは何をしたら勝ちのゲームなのか?
- 「右に行く」と勝ち!
- 画面にはほとんど情報が無いようにみえるけど、ユーザーはみんな右に行く(右のほうが空間あいてるし、とか理由はいろいろ)
- ゲームを買ってもらったばかりのユーザーは、説明書を読まない。でも伝えなきゃいけない ← 仕様とユーザー行動がつながっている
- ゲームのおもしろさは、ゲームを「わかる」後にくる
- スタート→わかる→面白くなる、というユーザーの行動 ← 面白くないのに遊んでいる状態がある!?
- = ゲームはおもしろいから遊ぶのではなく「わかる」から遊ぶ
- 商品が良くても、「商品自体をわかる」までユーザーを導かなければ、一切良さは伝わらない
- マリオが右に行くとクリボーが出てくる
- ここでお客さんは(心の奥底で)喜ぶ! ← なぜ?
- = 右に行けばいいという仮説が正解したから!
- 「わかる」の正体:ユーザーが仮説を抱き(「右に行けばいいのかな??」)、それが正解したらごほうびがもらえる(「敵が出た!てことは右に行くのであってた!」)、これが全て自発的に行われること
- 「わかる」=「おもしろい」
- 新しい携帯電話をつくれ、と言われたら、ひとは「良いもの」をつくろうとしてしまう
- 「GOOD 良いもの」とは?
- 私たちの考えは「既知の良さ」(良い携帯電話は、高性能・軽い・はやい etc.)のなかに閉じ込められている
- 既知の良さはレッドオーシャン!
- 「新しさ」とはすなわち「未知の良さ」:直感的に良いと思えない良さ
- 創造的なチームで「未知の良さ」を追求する方法についてさらに深堀り
- 「未知の良さ」=「既知の悪さ」(「未知の良さ」の対偶は「既知の悪さ」)
- 未知の良さは、一旦否定されるもの
- 率直さが大事
- 創造的チームには、「良い・正しい」が通用しない「未知の良さ」が必要
- こういうことをチームで共有できたのが、Wiiの成功の要因だったと考えている
- 「チームメイトがわかること」>「良い正しいものを作る」
- 企画者もチームメンバーも、不安と戦い続けることにはなる…!
小さなままで世界を相手に冒険できる自己組織化したチーム
- 株式会社ヌーラボ 代表取締役 橋本 正徳氏
- 舞台演劇をやっていて、これが創造的チームだと感じた
- 「コラボレーションを追求する職人集団」 ← ヌーラボのスローガン
- スローガンの変遷
- 支社をたくさんつくった
- チームでベストな人数は、個人的には3人
- 一人で動くのはむずかしい
- コラボレーションを勧めるうえで、大切にしてること
- 楽しさ
- Diversity 多様性 + 仕事じゃなくても共にモノ(コト)を作ることが好き (属人性に依存していいじゃんっていう考え)
- Holacracy チームに権限移譲し、意思決定してもらうコントロールしないマネージメント
パネルディスカッション「創造的チームの作り方」
- 登壇
(関)これまで体験した最悪のチームは?
- (玉城)地元での仕事。モラル的なところで問題があった…
- (橋本)八百屋やってたころ。なんでもいうことを聞かなきゃいけない状況になってしまって…
(関)チームを作る上で重要になるのは、「誰と」チームをつくるのかというところですが、どうお考えですか
- (玉城)僕自身は、「誰と」とか「一生の付き合い」とかはあまり考えないようにしている。縁を大切にして、出会った人と仲良くし、離れるときには離れる
- (橋本)里見八犬伝いうところの、うまれた時に青く光る玉を握っている人。モノづくりが楽しめるひと。話すと何となく分かる。チームにその人が入った時に、違和感を感じないかどうかを想像している。動物的な感じ
- (櫻井)ものづくりが好きな人。こいつには勝てないなと思える人。この人と一緒にモノをつくったら、化学反応が起きるんじゃないかなという人。一本釣りの場合が多い
人の見極めについて
- (関)今回この四人はみんなエンジニア出身なので、エンジニアであればすごい人ってわかると思うんだけど、エンジニアじゃない人はどう見きわめている?
- (橋本)それはすごくむずかしい。匂い…とか…。あとは幼いころの経験(原体験)を聞いてみたり。。できる範囲で。。
- (櫻井)エンジニアと言っても、エンジニアリングだけをやっていたわけではないと思う。いわゆるユニコーン的人材っていうのがキーになるのかも、とおもった
ビジョンの共有について
- (関)ビジョンって、どういう風に共有してる?
- (玉城)個人的には、コンセプトをひとつ持つようにするのがいいと思う。自分の思った通りのことが、他の人から上がってきたりすることがある。そういう状況がすごくうれしい
- (玉城)いまも、任天堂社長の岩田さんが言っていた「コミュニケーションがうまくいかないときは、自分が悪いと思うようにしてる」というのを意識している。やっぱり小さい人数(3,4人)だとやりやすい
- (橋本)ビジョンっていうのをあまり好きになれない。ビジョンを超えられなくなったりするし。ビジョンを対外的に言うところには3パターンあって、ひとつは本当にそう思って言ってるところ、ビジョンをつかってPRをしているところ、社内の状況が良くなくて外堀からビジョンを伝えていくところ。最後が特によくない
- (玉城)コンセプトっていうのは、言わずに伝わる状況が最高。あまり表に出すべきものじゃないだろうと思っている
- (櫻井)ビジョンの共有の仕方はひとつポイントだとおもう。朝会で急に伝えても伝わらないし…。うちではツキイチで合宿をしたりして話をしてる。
- (玉城)「共有」っていう言葉がうさんくさいよね。プレゼンもゲームも同じで、「○○してね」とかはっきり「共有」しちゃうとだめ
- (関)「共有」より「共感」ということですね
働く環境について
- (玉城)小さなチームを複数作って権限移譲して……というのを実現できれば理想的だと思った。悪いところも含めて、リアルな話をききたい!
- (橋本)デメリットは、すごいひとがいっぱいいるので、自分が活躍する場がなくなっていくっていうこと
- (玉城)ファシリテーターには二種類タイプがありますよね。強いファシリテーター(自分でひっぱって人から引き出す)と弱いファシリテーター(自分を空っぽにして人から引き出す)。橋本さんはまさに後者だとおもう
- (櫻井)スポーツで言うMF。
- (橋本)ジョブス的なひとか、トーマス・リーマス的なひとか
- (関)その状況で、どうやって共感を生んでいるのか?
- (橋本)100%共有するのは無理なので、ある程度諦めが必要
- (関)同じ会社にいるという意識はどこからでてくるのか?
- (橋本)社員に聞いてみましょう
- (ヌーラボ社員)分かりやすいところで言うと、合宿とか。たまに、ただ一緒に過ごして(アジェンダとか用意しないで)仕事をしてみる時間をつくるとかっていうのが良いのかなと思う
- (櫻井)うちでは、一緒にご飯を食べたりつくったり、そういう自然に過ごす状況が大切なのかなとおもう
チームを殺すもの
- (関)こんなことをやるとチームは死ぬよっていう規範やエピソードはある?
- (玉城)モラル的なこととか。悪い人とは組まないと決めてる!
- (橋本)一番悪いと思うのは、比較をすること=他社を貶めて自分を高めること。会社でも、比較表を作らないというのはやってる
- (櫻井)会社でルールみたいなことはつくってないが、個人的には、出る杭を打つのはアウトだと思っている。
会場質問1
- (会場)創造的なものを考えるというのも重要だが、それを実行するというところはどうやっているのか。否定があるなかでどうしたのかとか
- (玉城)自分の話を押し付けるのではなく、人が何を考えているかを引き出して、そうしたエピソードを集めていく。そうして共感者を少しずつ進めているような感じ。こういう体験を、自分のなかで蓄積していくのがいいと思う。自分はこう思うけど、君は?みたいな聞き方
会場質問2
- (会場)橋本さんが、理想的な人数は5人くらいというお話をされていましたよね。2人だときついのかなと思うが、どう思われますか
- (橋本)2人は良くないと思う!個人的にはNARUTOみたいな、スリーマンセル+1のかたちが理想的
会場質問3
- (会場)攻める人と守る人がぶつかって、空中停止する場合ってどうしてますか
- (玉城)新しいこと・イノベーティブなことを、一生やらなきゃいけないと思い込んでる人がいるとおもうが、そうではないんじゃないか。攻めるときと守るときがあってもいいし、人によってその状況が違う。それを受け入れるといいんじゃないかなっとおもう
Ide-a-thon「多様なスキルセットでつくるビジネスプラン」
- 共感→興奮→想像 を体験するワーク
- ゴール:チームでビジネスプランを考える
- 何をしたいのか
- ユーザーはだれか
- 何を用いて、どうやって達成するのか
- ネームシールに名前を記載し、スキルシールを貼る
- 考える人
- 作る人
- まとめる人
- その他ゆかいな人
- チームに分かれて、テーマを決め、ビジネスプランを考える!
- スキルセットのことを意識することは、あんまりなかった気がする